靴の選び方 靴の履き方

高齢者の靴の選び方|転ばない5つのポイント|訪問フットケア 武田

高齢者の足の健康と靴

まずは結論

高齢者の靴は、「軽い・脱ぎ履きしやすい・つまずきにくい」の3点を基本に、サイズだけでなく足の幅・かかとの安定性まで見て選びます。

合わない靴は、転倒だけでなく、巻き爪・タコ・魚の目といった足のトラブルの原因にもなります。この記事では、訪問フットケアの現場で多くの高齢者の足と靴を見てきた立場から、後悔しない靴選びの5つのポイントを、わかりやすくお伝えします。

「親の靴、そろそろ買い替えたほうがいい?」「どんな靴を選べば転ばない?」——以下では、高齢者の靴選びが特別な理由、選び方の5つのチェックポイント、避けたい靴を順にご説明します。離れて暮らす親御さんへの一足を選ぶ際にも、お役立てください。

高齢者の靴選び、なぜ「いつもの基準」ではダメなのか?

加齢で足の形・サイズは変わります。昔の感覚のままでは、合わない靴を選んでしまいます。

「サイズは昔から24センチだから」「気に入ったデザインだから」——その基準のままでは、今の足に合わない靴を選んでしまうことがあります。加齢とともに、足は確実に変化するからです。

足裏には、体を支える「アーチ」があります。加齢でこのアーチが沈むと、足の幅(ワイズ)が広がる傾向があります。また、むくみで夕方には足が大きくなることも。つまり、若い頃と同じサイズ・同じ感覚で選ぶと、幅がきつかったり、逆に大きすぎてぶかぶかになったりするのです。

合わない靴は、ただ歩きにくいだけではありません。転倒の原因になり、巻き爪・タコ・魚の目といった足のトラブルも引き起こします。高齢の方にとって、靴選びは「おしゃれ」ではなく「健康と安全」の問題なのです。

※東京都の調査では、高齢者の約4割が1年間に1回以上の転倒・転落を経験し、その約半数がケガを伴い、住宅内での発生が約5割を占めると報告されています(出典:東京都生活文化局の調査等。最新の数値は消費者庁・国民生活センターの公開情報をご確認ください)。

高齢者の靴選び、5つのチェックポイントとは?

サイズ・かかと・軽さ・脱ぎ履き・靴底。この5点を押さえれば失敗しません。

靴を選ぶとき、次の5つを確認してください。お店で試し履きするときのチェックリストとしてお使いいただけます。

1. サイズと幅(足長だけでなく「幅」も見る)

足の長さだけでなく、幅(ワイズ)と甲の高さも合っているかを確認します。一般的に、つま先に5〜10mm程度の余裕(捨て寸)があると歩きやすいとされています。きつすぎは巻き爪やタコの原因に、ぶかぶかも靴の中で足が滑って摩擦が起き、タコの原因になります。

2. かかとの安定性(かかとが硬めで支えがあるか)

かかと部分に芯材が入っていて、しっかり支えられる靴を選びます。かかとが柔らかすぎると、歩くときに足がぐらつき、転倒しやすくなります。

3. 軽さ(重い靴は すり足・つまずきの原因)

高齢になると足を引き上げる力が弱まり、すり足になりがちです。重い靴は足が上がりにくく、つまずきの原因に。手に持って「軽い」と感じる靴を選びましょう。

4. 脱ぎ履きのしやすさ(座って、楽に履けるか)

理想はひも靴がベストですが、面ファスナー(マジックテープ)など、座ったまま無理なく着脱できる靴が安心です。履くときに無理な姿勢を取ると、それ自体が転倒のリスクになります。

5. 靴底(滑りにくく、つま先が少し反り上がっているか)

靴底は適度に滑りにくいものを。さらに、つま先が少し反り上がった形(トウスプリング)だと、すり足でもつまずきにくくなります。ただし、室内では滑り止めが強すぎるとかえって引っかかることもあるため、場面に合わせて選びます。

こんな靴は要注意? 避けたい靴の特徴

よかれと思って選んだ靴が、転倒の原因になっていることがあります。

次のような靴・履物は、高齢の方の転倒リスクを高めます。今履いているものを確認してみてください。

今履いている靴、大丈夫? チェックリスト

ひとつでも当てはまれば、買い替えを検討するタイミングです。

  • かかとを踏んだまま履いている(スリッパ状態)
  • 脱げやすいサンダル・つっかけをよく履く
  • 靴底がすり減って、つるつるになっている
  • サイズが合わず、ぶかぶか または きつい
  • 重くて、履くと「足が疲れる」と言う

室内でのスリッパも、自分で踏んで転んだり、階段で脱げたりと、転倒事例が多く報告されています。室内も、軽くて滑りにくいかかとのある履物がおすすめです。

靴を変えるだけで、足のトラブルは防げる?

合わない靴は、巻き爪・タコ・魚の目の「隠れた原因」です。

靴を見直すことは、転倒予防だけでなく、足のトラブル予防にも直結します。先がきつい靴は巻き爪を、特定の場所に圧がかかる靴はタコ・魚の目を引き起こします。「靴を変えたら、足の痛みが減った」という方は少なくありません。

もし今、巻き爪やタコ・魚の目でお困りなら、靴の見直しとあわせて、専門のケアを受けることをおすすめします。原因(靴・歩き方)と結果(爪・皮膚のトラブル)の両方にアプローチすることが、繰り返さないための近道です。詳しくは、巻き爪のケアやタコ・魚の目のケアのページをご覧ください。

私が訪問先で、爪より先に「靴」を見る理由

靴は、その人の歩き方と足の状態を映す鏡だからです。

訪問でフットケアに伺うとき、私が最初にすることは、爪や足を見ることではありません。玄関で、いつも履いていらっしゃる靴を1〜2分、じっくり拝見します。靴の中敷きの擦り減り方が左右で違っていたり、外側だけが極端に減っていたり——靴は、その人がどう歩いているか、どこに負担がかかっているかを、何より正直に教えてくれるからです。

私は柔道整復師として身体の構造を、アスレティックトレーナーとして歩き方や姿勢を学んできました。だからこそ、靴を「足を覆うもの」ではなく「歩行を支える道具」として見ます。どんなに良いケアをしても、合わない靴を履き続けていれば、足のトラブルは戻ってきてしまう。靴選びは、足の健康の土台なのです。

もし靴選びで迷われたら、今お使いの靴を見せていただくだけでも、お手伝いできることがあります。足の状態と靴が合っているか、気になることがあれば、お気軽にお声がけください。

よくあるご質問

Q. 室内ではどんな履物がいいですか?

A. 室内でも、かかとのある軽い室内履きがおすすめです。スリッパは自分で踏んで転んだり、階段で脱げたりする事例が多く報告されています。滑りにくく、脱げにくいものを選びましょう。

Q. 介護シューズと普通の靴は何が違いますか?

A. 介護シューズ(ケアシューズ)は、軽量で、履き口が広く脱ぎ履きしやすく、左右サイズ違いや片足だけの購入に対応するなど、高齢者の足に配慮した設計が特徴です。むくみや外反母趾のある方にも合わせやすくなっています。

Q. むくみで夕方に足が大きくなります。どう選べば?

A. むくみがある方は、夕方の足が大きい時間帯に試し履きをするか、面ファスナーで甲の固定を調整できる靴を選ぶと安心です。きつさを我慢して履くのは避けてください。

Q. 靴の買い替えの目安は?

A. 靴底がすり減ってつるつるになった、かかとのクッションがへたった、後ろから見て靴が斜めに傾いている——こうした状態は、体を支える機能が落ちているサインです。早めの買い替えをおすすめします。

Q. 通販で選んでも大丈夫ですか?

A. サイズや幅が分かっていれば可能ですが、足の状態が変わりやすい高齢の方は、できれば試し履きをおすすめします。返品できるか、左右サイズ違いに対応するかも確認しましょう。

足や靴のこと、お気軽にご相談ください

「今の靴が合っているか分からない」「足のトラブルが気になる」——そんなときは、お気軽にお問い合わせください。千葉市美浜区を中心に、ご自宅へ伺うフットケアを行っています。

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武

監修・施術:武田 英輝(たけだ えいき)

柔道整復師(国家資格)/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー/福祉爪ケア専門士®

事務所:東京都千代田区神田神保町3-11-6 神保町ビル10階階

商圏:千葉市美浜区を中心とした地域/訪問は自転車で対応

営業時間:月14:00〜18:00/火〜金9:00〜18:00/土9:00〜12:30(日・祝・月午前・土午後 休)

最終更新:2026年6月

※本ページは高齢者の靴選びに関する一般的な情報提供です。足に痛みや変形、持病がある場合は、医療機関や専門家にご相談ください。当サービスは保険外の民間ケアであり、糖尿病・化膿・出血・炎症のある方への施術はお断りしております。掲載の統計は出典時点のもので、最新情報は各公的機関でご確認ください。