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高齢者が自宅でできる足の体操5つ|椅子に座ったまま|武田監修

笑顔の高齢者たちの屋外活動と健康的な食事。

まずは結論

足の体操は、椅子に座ったまま「1日5分・5種類」から無理なく始められます。

立って行う運動が不安な方でも、安定した椅子に腰かければ、比較的取り組みやすくなります。この記事では、①足指のグーパー ②タオルギャザー ③足首の曲げ伸ばし ④つま先上げ・かかと上げ ⑤ひざ伸ばし・もも上げ の5つを、回数の目安・ねらい・つまずきやすいポイントまで、順番にご説明します。道具はタオル1枚だけです。

「親に何か運動をすすめたいけれど、転ばせてしまうのが心配」「自分でも歩く力が落ちてきた気がする」——以下では、なぜ座ったままの体操でよいのか、具体的な5つのやり方、安全に続けるための注意点を順にお伝えします。今日、椅子に座ったその場から始められる内容です。

なぜ「座ったまま」の足の体操でいいのか?

転ぶ心配なく、毎日続けられることが何よりの効果です。

運動というと、ウォーキングや体操教室を思い浮かべるかもしれません。けれど、足腰に不安がある方にとって、立って行う運動は「転ぶかもしれない」という怖さがつきまといます。怖いから続かない、続かないから筋力が落ちる——この悪循環が、いちばんの問題です。

その点、椅子に座ったままの体操は、転倒の不安を抑えて取り組みやすい方法です。テレビを見ながら、朝食のあと、お風呂上がりの一息——生活の中に差し込みやすく、習慣にしやすい点も利点だと考えています。

そしてもうひとつ。足首・足指・ふくらはぎ・太ももといった「歩くために使う場所」は、座ったままでもしっかり動かせます。ふくらはぎを動かすことは血のめぐりを促すとされ、むくみや冷えが気になる方のセルフケアとしても取り入れられています。足指を動かすことは、地面を踏ん張る力を保つことにつながると考えられています。強い負荷をかけることよりも、無理のない範囲で続けることを大切にしてください。

始める前に、準備するものと5つの約束

安全に行うための土台を、先に整えておきましょう。

用意するものは、安定した椅子とフェイスタオル1枚だけです。椅子は、キャスター(車輪)のない、背もたれのあるものを選んでください。ダイニングの椅子が向いています。ソファーは体が沈み込みやすいため、この体操にはあまり向きません。

安全に続けるための5つの約束

はじめての方は、まずここだけ押さえてください。

  • 椅子には浅めに腰かけ、両足の裏を床にぴったりつける
  • ふらつきが心配なときは、深く座って背もたれを使う
  • 息を止めない(回数を声に出して数えると自然に呼吸できます)
  • 痛みが出たら、その場でやめる(我慢して続けない)
  • 食後すぐ・体調のすぐれない日は行わない

回数はあくまで目安です。半分でも、片足だけでもかまいません。「毎日ゼロにしない」ことのほうが、ずっと大切です。

自宅でできる足の体操5つ(椅子に座ったまま)

足指→足裏→足首→すね→太ももの順に、下から積み上げます。

5つは、この順番で行うと体が温まりやすく、無理がありません。全部で5〜10分ほどです。時間がない日は、①と②だけでもかまいません。


① 足指のグーパー運動

やり方/靴下を脱いで、素足になります。足の指を5本ともぎゅっと内側に握り込みます(グー)。次に、指と指のあいだを開くように、大きく広げます(パー)。この2つを交互に繰り返します。

目安/10〜20回。最初は指が思うように動かなくても大丈夫です。手で指を1本ずつ広げてあげてから行うと、動かしやすくなります。

ねらい/足裏には、体を支える小さな筋肉がたくさんあります。足指で地面をとらえられることは、歩行の安定に関わると考えられています。靴を履いている時間が長いと、足指を大きく動かす機会は少なくなりがちです。意識して動かす時間をつくってみてください。

ポイント/素足で行うことで、爪の伸び具合、タコや魚の目、皮膚の乾燥といった足の変化にも気づけます。体操は、足を観察するよい機会でもあります。

② タオルギャザー(タオル引き寄せ)

やり方/床にフェイスタオルを縦長に広げ、その手前側に足を置きます。足の指だけを使って、タオルを少しずつ手前にたぐり寄せます。かかとは床につけたままにしておきます。

目安/左右それぞれ、タオル1枚分を1〜2往復。終わったらタオルを広げ直して、反対の足で行います。

ねらい/足裏の筋肉を集中的に使い、土踏まず(アーチ)を支える力を養うことをねらいます。アーチは、歩くときの衝撃を吸収する役割を担うとされ、これを支える力が弱まると、疲れやすさや足裏の痛みにつながることがあります。

ポイント/5つの中では、難しく感じる方が多い体操です。うまくできない日は無理をせず、➀のグーパーを多めに行ってください。続けるうちに、少しずつ動くようになります。

③ 足首の曲げ伸ばし(ふくらはぎのポンプ運動)

やり方/椅子に浅めに腰かけ、背筋を軽く伸ばします。片足を少し前に出し、かかとを床につけたまま、つま先をゆっくり天井へ向けて引き上げます。すねの前側が伸びるのを感じたら、今度はつま先をゆっくり床の方向へ伸ばします。これを繰り返します。

目安/左右それぞれ10〜20回。1回を3秒くらいかけて、ゆっくり動かします。

ねらい/ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれることがあり、筋肉の伸び縮みが下半身の血液を心臓へ戻す働きを助けるとされています。ここを動かすことは、足のむくみやだるさ、冷えが気になる方の日常のケアとして取り入れられています。同時に、すね側の筋肉(つま先を持ち上げる筋肉)も使うため、歩くときにつま先が引っかかりにくくすることにもつながると考えられています。

ポイント/勢いをつけて速く動かすと、筋肉を使っている感覚がつかみにくくなります。「ゆっくり、大きく」を意識してみてください。

④ つま先上げ・かかと上げ

やり方/両足の裏を床につけて座ります。まず、かかとを床につけたまま、両足のつま先を同時に持ち上げて下ろします(つま先上げ)。次に、つま先を床につけたまま、両足のかかとを同時に持ち上げて下ろします(かかと上げ)。

目安/それぞれ10〜20回ずつ。慣れてきたら、太ももの上に軽く手を置いて、負荷を少しかけても構いません。

ねらい/①より少し強く、ふくらはぎとすねの筋肉を鍛えます。この2つの筋肉は、立ち上がるとき、歩き出すとき、そしてバランスを崩しかけたときに踏みとどまる動作に関わるとされています。

ポイント/両足が難しければ片足ずつでも。左右差を感じたら、動かしにくい側を少し多めに行いましょう。

⑤ ひざ伸ばし・もも上げ

やり方/背もたれに軽く背中をつけて座ります。片方のひざをゆっくり伸ばし、つま先を天井に向けた状態で2〜3秒とめます。そのあと、ゆっくり下ろします。左右交互に行いましょう。慣れてきたら、座ったまま太ももを交互に持ち上げる「もも上げ(座位の足踏み)」も加えます。

目安/ひざ伸ばしは左右それぞれ10回。もも上げは左右交互に20〜30回(ゆっくりした足踏みのリズムで)。

ねらい/太もも前面の筋肉は、椅子から立ち上がる動作や、階段の上り下りなど、日常の動きに大きく関わる筋肉です。加齢にともなって衰えやすい部位のひとつとも言われているため、意識して使ってみてください。

ポイント/ひざに痛みがある方は、伸ばしきらず、途中の高さまでで止めてください。痛みが出る角度は避けます。

※ここでご紹介した回数は、体調や体力に応じて調整してください。持病のある方、ひざ・腰の治療中の方、心臓や呼吸器に不安のある方は、始める前にかかりつけの医療機関にご相談ください。

続けるコツは?

「やる時間」を決めてしまうのが、いちばん確実です。

体操が続かなくなる理由としてよく挙がるのが、「気が向いたらやろう」と、やる時間を決めきらないまま始めてしまうことです。おすすめは、すでにある習慣にくっつけてしまうこと。朝食のあと、歯を磨いたあと、夕方のニュースを見ているあいだ——「◯◯のあとに足の体操」と決めておくと、思い出す手間がなくなります。

もうひとつは、記録を残すことです。カレンダーに丸をつけるだけで十分です。丸が並んでいくことが励みになった、という声もあります。離れて暮らすご家族なら、電話のときに「今日は体操した?」と声をかけるのも、立派な後押しです。

そして、完璧を目指さないこと。できない日があっても、まったく問題ありません。無理せず自分のペースで進めてください。

こんなときは、中止してご相談を

「痛みを我慢して続ける」が、いちばん避けたいことです。

こんなサインがあれば、いったん中止を

ひとつでも当てはまれば、続ける前に確認を。

  • 体操の途中で、胸が苦しい・強い息切れ・めまいがある
  • 足やひざに、鋭い痛みやしびれが出る
  • 足に傷、赤み、腫れ、水ぶくれ、化膿がある
  • 巻き爪やウオノメの痛みで、足を床につけるのがつらい

足のトラブルを我慢したまま体操を続けると、かばう動きが癖になり、かえって歩き方が崩れることがあります。詳しくは足の痛みを放置するとどうなるかのページをご覧ください。

私が「足元から健康寿命を支えたい」と願う理由

体操ができる足を保つことも、フットケアの役割です。

私がこの活動を始めたのは、高齢化が進む中、足や身体の不自由さから外出が難しく、病院にも行けずお困りの方が、たくさんいらっしゃる現状を知ったからです。足が痛くて歩けない、爪が切れない、でも通院もできない——そうした方のもとへ自分が伺うことで、少しでもお悩みを解決できればと考えました。

体操をおすすめしていて、いつも思うことがあります。それは、「体操ができる足」であることが、その前提だということです。爪が伸びて指に食い込んでいれば、足指を握るのは難しくなります。ウオノメが痛めば、床に足をつけることさえためらわれます。だからこそ、足を整えることと、足を動かすことは、一対のものだと考えています。

私の願いは、地域の方の健康寿命を底上げし、自立して、自分らしく、やりたいことをやりたいようにやって、幸せに暮らせる方を増やすことです。好きな場所へ行く、会いたい人に会う、自分のことは自分でする——その当たり前を、足元から守りたいのです。

まずは今日、椅子に座って足指グーパーを10回。それだけで十分な一歩です。足のことで気がかりがあれば、いつでもお声がけください。

よくあるご質問

Q. 毎日やらないと意味がありませんか?

A. そんなことはありません。週に3日程度でも、続けることには意味があるとされています。ただ、「気が向いたら」ではなかなか続きませんので、曜日や時間を決めておくのがおすすめです。できない日があっても、翌日また始めれば大丈夫です。

Q. どのくらいで変化を感じられますか?

A. 感じ方には個人差が大きく、「何日で変わります」とお伝えできるものではありませんが、一般的に筋力がついたと実感し始めるのは、毎日体操をやって1~2か月程度です。そのため数日で判断せず、まずは1〜2か月、気長に続けてみてください。

Q. 立ってやる体操のほうが効果は高いですか?

A. 負荷という点では立ってやるほうが強くなるので効果は高くなりますが、転倒の不安があるまま行うのは本末転倒です。まずは座位で続け、慣れてきたら、椅子の背やテーブルに手を添えた状態で立って行う——という段階を踏むのが安全です。

Q. 足が痛くて、体操ができません。

A. 痛みを我慢して行う必要はありません。巻き爪、タコ、厚くなった爪など、痛みの原因が足元にある場合は、まずそちらを整えることが先です。原因がはっきりしない痛みや、傷・腫れ・熱を伴う場合は、医療機関にご相談ください。

Q. 車椅子を使っている親でもできますか?

A. ご紹介した体操は、車椅子に座ったままでも問題なくできます。ただし、ブレーキをかけ、フットレストから足を下ろした安定した状態で行ってください。ご本人の状態によっては難しい場合もありますので、担当のケアマネジャーやリハビリ職の方にもご確認ください。

「体操ができる足」を、整えるところから

「爪が切れない」「ウオノメが痛くて足をつけない」——そんな状態では、体操も続きません。千葉市美浜区を中心に、ご自宅へ伺うフットケアで、足元から健康を応援しています。お気軽にお問い合わせください。

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武

監修・施術:武田 英輝(たけだ えいき)

柔道整復師(国家資格)/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー/福祉爪ケア専門士®

事務所:東京都千代田区神田神保町3-11-6 神保町ビル10階

商圏:千葉市美浜区を中心とした地域/訪問は自転車で対応

営業時間:月14:00〜18:00/火〜金9:00〜18:00/土9:00〜12:30(日・祝・月午前・土午後 休)

最終更新:2026年7月

※本ページは足の運動に関する一般的な情報提供であり、診断・治療を目的とするものではありません。持病のある方、ひざ・腰・心臓などに不安のある方、リハビリ中の方は、実施前に医療機関やリハビリ担当者にご相談ください。運動中に痛みや異常を感じた場合は、ただちに中止してください。当サービスは保険外の民間ケアであり、糖尿病・化膿・出血・炎症のある方への施術はお断りしております。